【七福神】 -その1
七福神
七福神とは大黒天、恵比寿、毘沙門天、弁財天、布袋、福禄寿、寿老人の七人の神様です。
この神様達は、金銀財宝の詰まれた宝船に乗って海の向こうからやって来て、七難を避け七福をもたらす縁起の良い神々です。
正月の七日までにこれらの七福神のお参りをすると、七難が無くなり七つの幸福が授かると言われ、
各地で七福神をお祀りした神社を巡察する「七福神詣で」が行われています。
今日、明日の2日間でこの七福神をご紹介いたします !(^^)!
◇大黒天 豊作の神様!(台所の守護神から福の神に)
大黒天はインドでは昔、飲食を豊かにする神で、中国に伝わってもそれは同様でした。
天竺(インド)の諸大寺では厨房の柱に大黒天を守護神として祀れば、何人の僧が訪れても出す食事に困る事はないと伝えられていた程です。
中国で祀られていた大黒天は、小さな床几に腰をかけ、手に金の袋を持っています。
日本に伝えられたのも、この系統の大黒天のようです。
日本に大黒天をもたらしたのは、天台宗の開祖・最澄です。
以来、天台宗を始めとする寺院の多くの厨房にも、その姿がみられるようになりました。
その後、台所の守護神から福の神としての色合いが強くなり、それに従って、
左手に袋を背負い、右手には槌を持ち、米俵に座ると言う非常に福々しい姿になっていきました。
◇恵比寿 商売繁盛、大漁の神様!(海神から商売繁盛の神に)
恵比寿は烏帽子(えぼし)をかぶり、タイと釣竿をかついだすがたで描かれることが多い事からもわかるように、元は漁師の間で広く信仰されていた神様でした。
日本各地の漁村には、海中から拾った、或いは浜辺に漂着していた丸い石を恵比寿の御神体として、
祠に納め、初漁祝いや大漁祈願など、漁に関係する行事で祭りを行ったり、魚だけでなく、海からの漂着物は恵比寿と呼び、決して粗末に扱わない風習が残されています。
このように漁村で信仰されていた恵比寿でしたが、中世以降、次第に商人や農民の間にも広まるようになったのです。
関西では1月10日を「十日戎」と言い、大阪市の今宮戎神社、兵庫県の西ノ宮市の西ノ宮など恵比寿を祀る祭が行われます。
◇毘沙門天 戦勝の神様!(武将から厚く信仰される)
毘沙門天は仏教の護法神で、北方を守る神とされました。
そして、四天王の一尊となり、須弥山の北方に住み、多数の夜叉を率いて北方を守る護法の善神となりました。
仏教では、「多聞天」言う名で呼ばれる事もあります。
毘沙門天は、四天王の他の三天とは異なり、昔から日本では単独の神としても信仰を集めてきました。
特に武将達の信仰は厚く、楠木正成は、毘沙門天を本尊とする信貴山の朝護孫子寺の申し子として、幼名を多聞天と呼ばれていた程です。
◇弁財天 学問、財福の神様!(芸術関係から夫婦和合、商売繁盛の神に)
弁財天は、元はサラスバティと言うインド古代神話に表れる大河の神で、梵天の妃とも言われています。
サラスバティは「水を有するもの」を意味する女性名詞で、その流れる水の音にちなみ、音楽の神、弁舌(知恵)の神として信仰されていました。
弁財天は仏教に取り入れられて、知恵や長寿、財産を授けると言われるようになり、日本に伝わりました。
白肉色で宝冠をかぶり、琵琶を弾く美女の姿が一般的になりました。
中世末期以降は財産の神としての信仰も生まれ、弁才天を弁財天と書くようになりました。